ついに、データ期間中の累積損益を知るときがやってきました。
累積の損益は、日々の損益を足していった値です。
まず、スタート日となるG列2行目(4月1日の欄)のセルには「0」を自分で入力しておきます。
これに、次の日の「日々の損益」を足す計算式をG列3行目に入れます。
<図6-1><計算式の入れ方>
これをフィルダウンすると、そのセルに該当する日までの累積益が表示されます。
<図6-2>データ期間中のトータルの累積損益はG列の一番下のセルに出ています。
果たしてデジタルガレージは、4月1日から9月22日までの間、どのくらいの累積益を出したのでしょうか。
<図6-3>あれ、半年間のトータルの利益はたったの6.83%ですか?
損益がプラスですから、「順張り売買のほうが有効」とは言えますが、このくらいの数字にしかならないとすると、「逆張り売買よりはマシ」という程度でしかありません。
この銘柄、5日移動平均の順張り売買を03年4月から10年9月22日までの長期データで検証したところ、トータルで700%超という高いパフォーマンスが出ています。つまり、長期的には順張り売買が有効な銘柄なのです。
ところが、この判定結果からすると、この半年に関しては「順張り売買の有効性はさほどでもない」ということになります。
おそらく、5日移動平均をシグナルにした順張り売買を検証してみでも、ここ半年間については、さほどよくない数字が出てくるでしょう。
このように、長期データの検証から出てきた傾向と、短期のデータで得られた傾向とが異なるケースは少なくありません。この銘柄の例とは逆に、短期的には順張り売買が非常に有効な銘柄でも、長期で見ると、むしろ逆張り有効型という銘柄もあったりします。
ここで紹介した判定法は、データが短期であっても長期のものであっても、手間は大して変わりません。株価データの入手が容易になっている昨今でもありますから、中長期的な傾向と短期的な傾向、ともに調べておくのがよいと思います。
さらに、累積損益の推移をグラフ化してみると、「どういう経緯で、そういう結果になったのか」の詳細を把握することができます。
そこで最後に、ここで出てきた判定結果を簡単なグラフにする方法を加えておきましょう。