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【そういえば、8574プロミス】“あの売買”は今でも有効なのか?

寄り付きで「米国市場の上昇下落に逆張り」

なでしこインベストメントが企画・作成した『株テクニカル情報BOOK・2010年夏号』(編集・Daily Money Japan編集部、発行・角川SSコミュニケーションズ(現・角川マーケティング))が発売されたのは、今からちょうど1年前でした。それから1ヶ月少々経った頃、読者の方からメールをいただき、とても感激したのを覚えています。

その内容は『Daily Money Japan』でも紹介しましたが、「少額資金でも取引可能で、場中の値動きもよさそうなので、今年に入ってからプロミス(8574)を売買対象にしているが、7月から売買の視点を変えてみたところパフォーマンスがすこぶる好調」というものでした。

その売買とは具体的にどんなやり方なのかというと、「アメリカ市場が値下がりしていたら、その日の寄り付きでプロミスを買う。アメリカが値上がりしていたら、寄り付きでプロミスを空売りする。そして大引けに手仕舞う」という、意外にもシンプルなデイトレです。

『株テクニカル情報BOOK・2010年夏号』に掲載されたプロミスのページを見てみると、「寄り→引け」の値動きが「S&P500引値の前日比上昇下落に対して強い逆張り」となっています。

つまり、米国市場が前日比上昇で引けたときには、その日のプロミスの引値は寄値よりも安くなる、米国市場が前日比下落で引けると、その日の引値は寄値より高くなる、といった具合に、プロミスの場中の値動きの方向が、米国市場の前日比上昇下落と逆になる傾向が強い、というわけです。

読者の方がこの「米国市場に逆張りデイトレ」でどのくらい収益をあげたのかは定かではありませんが、2010年7月1日から8月6日までの25営業日のデータをもとにこの売買を検証してみたところ、戦績は15勝10敗で17.8%のパフォーマンスが出てきました。

その後、この「米国市場に逆張りデイトレ」の有効性はどうなっているのか、追加情報を当サイトに掲載しています。

上は、2007年7月から2010年8月末までの期間のデータで検証した、この売買の累積パフォーマンスの推移です。

09年末までかなり好調な右肩上がりで、その後、パフォーマンスを落としたものの、10年央から再び右肩上がりになっています。

では、このあとのパフォーマンスはどうなっているのでしょうか。昨今の相場状況の中では日々活発に取引がある銘柄であり、また、「米国市場に逆張りデイトレ」という売買自体がシンプルでわかりやすいものでもあるので、ちょっと気になって調べてみました。


「米国市場に逆張り」よりもさらにスゴいパフォーマンスが

07年7月から直近の2011年6月22日までのデータで同じ売買を再検証してみた結果です。

その後もパフォーマンスは伸びていたのです。そして、今年3月には09年11月のパフォーマンスのピークの水準をも突破しています。4月以降はパフォーマンスが落ち気味ではあるものの、取りあえず、メールをくださった方がその後もこの売買を続けていたとしたら、この1年は結構な戦績が残せたのではないでしょうか。

この結果がかなり興味深いものであったこともあり、プロミスについて、直近までのデータをもとに、「株テクニカル情報BOOK」と同様の値動き分析を出してみました。

昨年の『株テクニカル情報BOOK』掲載の値動き分析と、この最新データを比べてみると、まず、「S&P500の前日比上昇下落」に対するこの銘柄の値動きに違いが出ています。

昨年は過去3ヶ月で「強い逆張り」でしたが、最新データでは「順張り傾向」です。グラフ2のパフォーマンスで、今年4月以降の推移が右肩下がりになっていたのは、これを反映したものだったわけです。

他方、「日経225先物引値の前日比上昇下落」に対するこの銘柄の「引け→翌日引け」の値動きにも変化があるようです。

過去3年でいうと、昨年の分析も最新データも、ともに「強い順張り」ですが、過去3ヶ月を見ると、昨年は「中立」だったものが、最新データでは順張り傾向になっています。

「225先物の前日比上昇下落に対して順張り型」の値動きとは、「225先物が前日比上昇で引けた翌日、プロミスの株価も前日比上昇となる」「225先物が前日比下落で引けた翌日、プロミスの株価も前日比下落になる」という傾向が強い、ということです。

では、「225先物が前日比上昇=大引けでプロミスをロング」「225先物が前日比下落=大引けでプロミスをショート」という売買がもし可能であったとしたならば、どんなパフォーマンスになるでしょうか。

累積パフォーマンスの数字は「米国市場に逆張り」の実に2倍以上! この1年では160%超という高水準です。これはなかなかすごい結果ではないでしょうか。

実際には、東証が引けた後に225先物市場が引けるので、厳密にこの売買を実践することはできませんが、たとえば、プロミスを大引けでロング(ショート)した日に225先物が前日比上昇(前日比下落)で引けると、「明日は益が出る可能性が高いかも」と予測することはできそうです。


アイフルは米国市場の前日比上昇下落に「超絶逆張り」

「米国市場の前日比上昇下落に逆張り」売買に関しては、いろいろな銘柄を検証してみると、驚きのパフォーマンスが出るものに遭遇したりします。

アイフル(8515)がその例です。

この銘柄についても、直近までのデータをもとに『株テクニカル情報BOOK』と同様の値動き分析をしてみました。

過去3年でも過去3ヶ月でも、この銘柄の「寄り→引け」の値動きは、S&P500の前日比上昇下落に対して「強い逆張り型」との結果です。

ならば、この銘柄でも「米国市場に逆張り」売買がどんなパフォーマンスになるのか調べてみましょう。

2006年7月からの累積パフォーマンスは600%を超えています。これまたすごいのではないでしょうか。

また、この銘柄も「日経225先物引値の前日比上昇下落」に対して、過去3ヶ月・過去3年ともに順張り傾向です。

そこで、先ほどのプロミスと同じ「225先物の前日比上昇下落に順張り」の売買も検証してみました。

何と、こちらは06年7月からの累積パフォーマンスが700%を超えてしまっているではありませんか。直近1年では200%超という、驚きの数字です。

もっとも、この銘柄は現在“売り禁”なので、ショート不可です。よって、残念ながら、グラフ4、グラフ5で見たのと同じ売買をすることは実際にはできません。

加えて、この銘柄は株価水準が低いので、株価に対する1ティックの比率が大きくなり、それゆえパフォーマンスが高めに出る、という点は割り引いて考える必要はあるでしょう。

ただ、この銘柄を手掛けるならば、「米国市場に逆張り型」「225先物に順張り型」という値動きの傾向は意識しておいて損はありません。パフォーマンス改善のヒントにもつながるのではないかと思います。



<お知らせ>

現在、なでしこインベストメントでは『株テクニカル情報BOOK』と同様の情報をご提供する媒体を作成しています。

近日発売の予定です。詳細が確定し次第、当サイトにてお知らせします。ご期待ください!



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