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【ローソク足チャート】その形状が語る売買の視点

個別銘柄の状況は引き続き「悪くない」

1月のSQ以後、円安にふれたこともあって、ムードが好転した感があったものの、先物の動向だけで売り買いされる状況は相変わらず。再び昨年後半のような冴えない相場に戻ってしまうのか、とも思ってしまいそうですが、市場全体を見渡してみると、そうでもなさそうです。

確かに、主力銘柄の中には、既に冴えない動きに戻ってしまったようなものはあります。しかし、小型、低位、新興株は「悪くない」銘柄が以前よりも増えています。

たとえば、インデックスが冴えない小動きをしていても、全上場銘柄の高値更新銘柄数は減っていない、むしろ増加傾向ともいえます。

3700もある全上場銘柄数からすれば新高値銘柄数は2%にも満たない数ですが、昨年1月来の高値に至らないまでも極めてエキサイティングな動きを見せる銘柄も少なくありません。おそらく、日頃ウォッチしている銘柄によって、いまの相場が非常に面白く感じる人と、全くもってつまらなく感じる人と、それこそマチマチなのではないでしょうか。

以前にもふれましたが、現状の相場は「買われる銘柄は買われ、買われない銘柄はまるで買われない」という雰囲気になっています。であるならば、「買われる銘柄」のほうに目を向けていれば、日々面白い相場が味わえるに違いありません。

「買われる銘柄」を探す方法は、1月16日掲載情報「【好トレンド銘柄】売買対象、出動タイミングを探るヒント」でも紹介していますが、他に、YAHOOファイナンスなどの新高値リストに登場している銘柄のチャートを見てみる方法もあります。そのリストにあがってくる銘柄は、もちろん「買われている」銘柄です。その中から、「買われているが、買われすぎていない」銘柄を選びたいのは言うまでもありません。


チャート上に見る「意識されている」押し目水準

「買われているが、買われすぎていない」値動きの例として、たとえばこんなパターンがあります。

昨年9月からトレンドが鮮明になりはじめ、そのトレンドが今年1月前半まで続いていたテンポスバスターズ(2751)です。1月半ば以降、ちょうどインデックスが好転ムードを出した時期から日足ベースのトレンドが崩れてしまっていますが、昨年末辺りまでは非常にわかりやすいトレンドを描いていました。

この日足チャートを見ると、12月まで20日移動平均が意識されていたかの様子がうかがえます。

この銘柄に限らず、押し目水準のコンセンサスが比較的わかりやすい形でチャート上に表れているケースが目につきます。そうした銘柄であれば、押し目買い出動の目安もつけやすいと思います。

ただ、20日移動平均を押し目買いの目安として指値を入れたとすると、たとえば1月18日の大幅下落の陰線で「買い出動」ということになります。この場合、翌日切り返して引値が20日移動平均を上回れば、トレンド継続と見てホールド、翌日も下落して20日移動平均より引値が安ければ、トレンド変化と捉えて手仕舞いの損切り、というのがセオリーです。

実際には翌日も下落していますから、1月18日に買い出動していれば損切りで手仕舞い、という結果になっていたでしょう。


市場参加者は未だ限定的。短期スタンスのほうが安心か

チャートの見方の前提のひとつはとして「トレンドは反転するまで継続する」というものがあります。つまり、これまでずっと好トレンドを描き続けていても、買った途端にトレンド反転、となることもあるわけで、これがトレンドフォロー型の売買の難しいところといえます。

この銘柄のように、市場全体が軟調なときでも買われ続けてきて、過熱感が出ているケースでは、それまでの反作用的な値動きも警戒する必要があります。市場参加者が多様で層も厚く、市場全体が盛り上がっている状況ならば、大きい下げがあっても多数の「押し目狙いの買い」が入って、トレンドが即座に回復することも期待できますが、現状はそのような状況ではありません。

ひと頃よりは売買高は回復しているとはいっても、未だに市場参加者は限定的。まとまった売り物が出てきて大きく値下がりしたり、他に妙味の大きそうな銘柄が出てきたりすれば、それまで手掛けてきた銘柄には早々に見切りをつけて、しばらくは戻ってこない、ということもありそうです。最近よく場況欄などに出てくる「循環物色」なるものは、それを表しているものとも考えられます。

こうした現状を意識するならば、買われ続けて好トレンドの中にある銘柄であっても、基本的には短期スタンスでのぞむほうが安心感はあると思われます。

その場合の売り買いのシグナルについては、ローソク足チャートの中にそのヒントが表れていることもあります。

たとえば、先ほどのテンポスバスターズの場合、日足チャートをよく見てみると、トレンドが鮮明になった9月以降、陽線が出ると何日か続く、陰線が出るとこれも何日か続く傾向が見てとれます。

となれば、陽線の日の大引けで買い出動、陽線が続いている間はホールド、陰線の日の大引け手仕舞い、という“陽線陰線に順張り”の短期売買をしたらどうでしょうか。

グラフ1は、2011年1月からこの売買を検証してみた結果です。確かに9月以降パフォーマンスがあがっています。また、株価が20日移動平均を下抜けした局面でもパフォーマンスは落ちていません。

ちなみに、11年9月1日から12年1月27日まで、この銘柄の上昇率は146%。そのうち、「陽線のときだけロング」のパフォーマンスは80%です。


好トレンド銘柄以外にも“陽線陰線に順張り”の有効例

ところで、この“陽線・陰線に順張り”の売買、シンプルでわかりやすいのが大きなメリットと言えます。

そこで、他の銘柄についても検証してみたところ、これが意外に有効と見られる例がちらほら浮上してきました。それも、先ほどのテンポスバスターズの例は、11年9月以降という短期のものでしたが、数年間にわたって良好なパフォーマンスが出てくるケースです。

いずれも好トレンド銘柄ではありませが、日足チャートを見ると、確かに陽線陰線が続いて出る傾向があります。

ローソク足チャートは、ローソクの色や形状によって様々な情報を発信しています。その情報の中に、この“陽線・陰線シグナル”のように、売買のヒントが潜んでいるかもしれません。今一度、注目している銘柄のローソク足チャートを要チェックです!



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