Daily MONEY JAPAN・号外8/21配信【8029ルック】の詳細です。
お盆が明けても盛り上がらず…。こんな相場をどう克服する?(その2)
メルマガでも紹介したように、ルック(東1・8029)は、データ検証期間が過去3ヶ月(10年2月末〜5月28日)では「強い順張り」型の銘柄です(『株テクニカル情報BOOK』205ページに掲載)。
では、「米国市場に順張りデイトレ」をやったらどうなるか。検証結果を見てみましょう。
図1は、今年7月1日から8月13日までの30営業日の株価データで、「S&P500が値上がりした日は、寄り付きで買う」「S&P500が値下がりした日は、寄り付きでカラ売りする」(いずれも大引けで手仕舞う)という「米国市場に順張りデイトレ」の累積パフォーマンスの推移です(ルックは8月11日まで信用取引規制によりカラ売り不可だったため、実際にはこの売買はできません)。
図1 |
7月半ばまで何とも悲惨です。この銘柄は株価が安いため、「1円」の違いがパフォーマンス(%)に与える影響は大きくなってしまう面はありますが、7月20日時点で累積パフォーマンスはマイナス24%。たぶん「こんな売買、全然ダメだ! もうやめた!!」と思うに違いありません。
ところが、そこからパフォーマンスは上向きに。上下はあるものの、その後の半月でパフォーマンスは約30%も伸びて、結果、「期間中のトータルパフォーマンスは5%」となっています。
この売買を、今年1月から8月13日までのデータ(147営業日)検証をしてみた結果が図2です。
図2 |
一見してわかる通り、1月後半から5月末にかけて人気が高まってきた局面で、この売買はものすごいパフォーマンスを出していたのです。
それが、人気が薄れるとともにパフォーマンスも凋落。図1で見た「7月半ばまでの悲惨な状況」は、この期間で見ると、最低最悪のひどい局面だったわけです。
ただ、この図2のグラフを見ると、7月下旬以降、パフォーマンスが持ち直し、チャートで言うならば「押し目からの反転」のような形になっています。
株価は下落基調を続けていますが、売買高は信用規制解除の後、若干ですが増加基調にあります。
果たして、7月20日がこの売買のパフォーマンスの“押し目”だったのかどうか。現状、かなり興味深い局面に映ります。
次は、「225先物の前日比上昇・下落に順張り」でポジションを持ったらどうなったか、の検証結果です。
この検証は、「225先物の引値が前日比上昇のときはロング(買い持ち)」「225先物の引値が前日比下落のときはショート(売り持ち)」ポジションを取る(225先物が前日と同値の場合はポジションなし)、という売買の累積パフォーマンスを調べています。
メルマガのほうでも書いたとおり、この売買を厳密に行うことはできません。が、“アバウトに”であれば実践できます。そして、そのほうが実は良好なパフォーマンスが得られたりします。この点については後述します。
まず、図3は、データ期間を7月1日から8月13日までの30営業日とした場合の累積パフォーマンスの推移です。
図3 |
7月の初めのほうはふるいませんでしたが、その後はそこそこうまくいっている様子がうかがえます(とはいえ、8月1日から10日までは負けが続いていますが)。
さらに図4が、検証期間を1月から8月13日としてみた結果です。
図4 |
1月後半から3月辺りまではまるで有効でなさそうな売買でしたが、そこからパフォーマンスが伸び始めています。
図2の「S&P500の前日比上昇下落に順張り」と比較してみると、人気が薄れ、売買が低調になった後も、一時パフォーマンスが落ち込んだものの7月には切り返し、パフォーマンス推移の“上昇トレンド”が続いている、といった違いに気付くと思います。
先ほどもふれたように、この「225先物の前日比上昇下落に順張り」の売買は、東証の大引けが15時、大証の225先物の大引けはそれより10分遅いので、このシミュレーション通りに実行することはできません。
ですが、東証の大引けの段階で、たとえば225先物が前日比プラス100円だとしたら、「これから10分間に今より下がったとしても、少なくとも、今日は先物は前日比上昇で引けるだろう」と予想すると思います。そして実際に、大方の場合(おそらく9割以上)はその予想通りになるはずです。
そうした場合だけポジションを持つようにすれば、“アバウトに”ではありますが、この売買を実行することはできます。
その場合、パフォーマンスは図4で見たものとどのくらい変わりそうか、を考えてみるために、「225先物の引値が前日比プラス0.7%以上ならば大引けでルックを買い持ち」「225先物の引値が前日比マイナス0.7%以下ならば売り持ち」「それ以外はノーポジ状態にする」という売買を検証してみました。
その結果が図5です。
図5 |
参考までに図4と同じグラフも載せていますが、この「±0.7%」という条件をつけたほうが、パフォーマンスは良好なのです。
もちろん、この売買にしても「15時時点で225先物の引値が±0.7%以上になるか」などはわかりませんから、この通り実行することはできません。
ただ、この「±0.7%」とは何かというと、現在の225先物の水準からすると60円〜70円に相当しますが、要は、「前日比±10円、20円といった微妙な部分は排除する」という意味合いでつけた条件です。
ですから、たとえば15時時点で、225先物が前日比で60円〜70円値上がりしてとすると、先物がその後10分間でさらに値上がりした場合には、図5の売買の条件に合います。
また、10分間で値下がりしたとしても、大方の場合、少なくとも前日比プラスで引けると予想されます。前日比プラスでさえ引ければ図4の売買の条件には合うことになります。
よって、これを実行した場合の累積パフォーマンスは図4と図5の間くらいになるのではないか、と推測されます。そう悪くない結果と言って差し支えないのではないでしょうか。
ちなみに、この図5のグラフですが、この銘柄の株価が軟調になった6月以降も図4のようにパフォーマンスが落ち込むこともなく、“高値更新”を続けています。これは非常に注目したい推移です。
『株テクニカル情報BOOK』で各銘柄を見てみると、ルックのほかにも、225先物の前日比上昇下落に対して「引値→翌日引値」の値動きが強い順張り型の銘柄が多数見られます。また、巻末のランキングには、全上場銘柄の中でも225先物の引値に対する順張り度が高い上位銘柄がリストアップされています。
もし、自分が注目している銘柄が「225先物に対する順張り度」が高いのであれば、その銘柄の株価データと225先物のデータを使ってこの売買の有効性の現状をチェックしてみてはどうでしょうか。
ごく短期的な有効性を確認するだけなら、データを使わなくても、双方のチャートを見比べてみるだけでもよいと思います。それが即、明日の売買作戦につながるかもしれません。
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