6月10日(金)は、株価指数先物・オプションの特別清算指数(SQ値)の算出日です。結果はこちら。
SQといえば、その前日や前々日は相場が荒れ気味になったり、当日の寄り付き前には突拍子もない気配が出ていたり、不可解な動きや大人げない動きがしばしば起きます。いかに自分のポジションに有利な方向に指数を動かすか、関係者は必死なのでしょう。
こうした動きには、先物やオプションのポジションを持っている人はもちろんのこと、個別銘柄の売買しかしていない人も注意する必要があります。先物とオプションともにSQ算出日となる3月、6月、9月、12月のメジャーSQは、関係者も多くなりますから、なおさら警戒を要します。
SQに絡む攪乱要因としてまず抑えておきたいのは、その銘柄の値動きが株価指数にどのくらい影響するか、指数に対する寄与度・寄与価格の高さです。加えて、寄与度・寄与価格が、たとえば前回のメジャーSQと比較して大幅に上昇している、低下している銘柄も意識しておきたい要素といえます。
寄与度・寄与価格が上昇しているのは、株価が良好なトレンドを描いていて上昇しているからにほかなりません。つまり、足元の相場の中で注目されやすい状況にあるわけで、そうした銘柄は、たとえば指数を上げたいときに買われやすくなる可能性があります。
逆に、寄与度の順位自体はそこそこ高位であっても、株価が下落基調で寄与度・寄与価格を幅に下げている銘柄は、指数を下げたいときに売られやすくなるかもしれません。
というわけで、6月7日の引値ベースにおける日経225に対する寄与価格上位30銘柄および下位30銘柄、3月のメジャーSQと比較しての寄与価格変化の上位30銘柄および下位30銘柄をリストアップしてみました。
ピンクは寄与価格順位を上げた銘柄、水色は順位を下げた銘柄です。
この上位30銘柄の寄与価格が日経225指数に占める割合は53.6%。3月SQ時の52.2%からアップしています。
また、寄与価格1位のファナックと2位のファーストリテイリングの2銘柄が日経225に占める割合は9.6%から10.3%に上がっています。寄与度の低い銘柄の悲惨さがうかがえるところでもあります。
下位30銘柄の日経225に占める割合は1.6%から1.4%に低下しています。
もともと寄与度が高くなかった電力株が軒並み大幅に値下がりしたこともその要因といえるでしょう。
これらの銘柄は、日経225的には「無視して可」ではありますが、TOPIX的には高い寄与度となっている銘柄もあるので、その点は留意しておいたほうがよさそうです。
現状の日経225は、3月のSQ値1万286円に比べて800円以上も低い水準です。が、そんな中にあっても株価が上昇し、寄与価格をアップさせている銘柄もあります。
ただ、「上位30銘柄」と言いながらも、27位以下の変化率はマイナス。相場状況の悪さがにじみ出ている感があります。
TDKやソフトバンク、ホンダ、ファーストリテイリング、トヨタ自動車など、寄与度自体が高い日経225の“主力”的な銘柄がかなり目立ちます。セクターでいえば、電子関連銘柄の寄与価格ダウンが大きいようです。
4月のSQ時は寄与価格を上げていたソフトバンク、三菱商事は今回のSQで巻き返せるか。注目点の1つといえます。