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【<続>気になる低位株】“仲間”低位株も売買シグナルになる

同セクターの低位株に焦点を当ててみる

12月18日掲載情報「【気になる低位株】有効な売買シグナルは、実はみんな同じ?!」の中で、GSIクレオス(8101)の例を紹介しました。

225先物が前日比上昇ならば同日の大引けでこの銘柄をロング、225先物が前日比下落ならば大引けでこの銘柄をショート、という「225先物に順張り売買」の検証結果がかなり良好だったわけですが、これは、この銘柄を恒常的に売買している参加者が、225先物の値動きを意識している可能性を示唆するものでもあります。

市場平均の値動きはどの銘柄を売買する人も気にするでしょうから、この銘柄に限らず、225先物の値動きを意識した売買が行われているであるうことは頷けるところでしょう。そのほかにも、たとえば、ある銘柄を恒常的に売買している参加者が、225先物以上に値動きを意識している他の個別銘柄がある、というケースもあるのではないのでしょうか。そうだとしたら、その銘柄の値動き(前日比上昇下落)も売買シグナルに使える、ともすれば、225先物の値動きをシグナルにするよりもさらに良好なパフォーマンスが期待できるかもしれません。

そこで、GSIクレオスと同じセクターの銘柄をいくつか調べてみました。すると、「意識されているっぽい」とも思われるような銘柄が出てくるではありませんか。

Aは18日掲載の中でも紹介した、225先物の前日比上昇下落をシグナルにした順張り売買の累積パフォーマンス。Bは、兼松(8020)の前日比上昇下落をシグナルにした順張り売買シミュレーション結果、Cは蝶理(8014)の前日比上昇下落をシグナルにした順張り売買のミュレーション結果です。

兼松がすごい。2010年以降やや失速感はありますが、累積パフォーマンスは、225先物をシグナルにしたケースをしのぐ水準になっています。蝶理シグナルは、パフォーマンス水準的には225先物シグナルに若干劣るものの、2010年以降、堅調な推移を描いています。いずれの銘柄も、GSIクレオスの売買シグナルとして検討の価値アリ、という結果です。


実践上の難点はこの方法で対応可能

実際問題で言えば、兼松も蝶理も現状の株価が2桁台という超低位で、前日比上昇で引けるか、前日比下落で引けるのか、大引け間際でも判断が微妙なケースは少なくないだろうと予想されます。大引け間際で前日比プラス1円、2円程度ならば、引け成りの売買動向次第で、簡単に「引けてみたら前日比下落だった」ということにもかねません。

そうした場合の対応策のひとつとして、兼松または蝶理のシグナルと、225先物のシグナルを併用する方法が考えられます。

グラフ2のAは、兼松と225先物の前日比上昇下落が一致した場合にのみ売買出動する、Bは、蝶理と225先物の前日比上昇下落が一致した場合にのみ売買出動するとした場合の累積パフォーマンスです。いずれもパフォーマンスの水準自体は単独シグナルのケースよりも低くなっていますが、単独シグナルの場合よりも3割程度トレード回数が減るため、1トレードあたりの利益率はアップしています。また、パフォーマンスの推移の安定度も増しています。

この売買を実践するうえでは、兼松・蝶理は超低位なので大引け間際でも前日比上昇か下落かの判断が微妙、225先物は大引けが15分遅いので、東証の大引け時間に前日比上昇か下落かを特定するのは不可能だという難点はあります。

ただ、以前もふれたように、たとえば東証大引け時点で225先物が前日比プラスマイナス40円、50円といった水準にあれば、仮に兼松・蝶理の引値が大引け間際の前日比上昇下落と逆になったとしても、「225先物シグナルに順張り売買」に関しては、大方は“シグナル通り”になるでしょう。そうした条件を事前に決めておくことで、この実践上の難点は概ね解消できると思います。


TOPIXの値動きがシグナルに使えるケースも

ところで、GSIクレオスの値動きの相関性が高い銘柄を調べてみると、表1のような銘柄が上位にあがってきました。興味深いことに、上位4銘柄は全くの異業種。これらの銘柄の値動きも意識してみるのも面白そうです。

もう1銘柄、18日付け情報で紹介した大京(8840)についても、値動きの相関性の高い上位10銘柄を出してみました。

この銘柄の場合は、ほとんどが同セクターの銘柄です。

最も相関性の高かった東急不動産(8815)の前日比上昇下落をシグナルにした大京の順張り売買を検証してみました。

225先物をシグナルにした順張り売買には及びませんが、それでも累積パフォーマンスは約900%と、かなり注目に値する結果ではないでしょうか。パフォーマンスの推移の安定度から言えば、225先物をシグナルにした場合よりも上かもしれません。

もっとも、東急不動産の株価水準は兼松や蝶理に比べれば高いとはいえ、それでもやはり、前日比上昇で引けるか、下落で引けるか、大引け間際の判定が難しいであろうケースを想定しないわけにはいきません。

そこで、実践の売買を考えて、ひと工夫してみました。

Aは、先ほどと同じように、東急不動産と225先物の前日比上昇下落が一致した場合にのみ売買出動するとした場合の累積パフォーマンスです。グラフ3で見た、東急不動産シグナル単独のケースよりもパフォーマンス水準はアップしています。

一方、Bは、大引けが15分遅い225先物ではなく、東証の大引け時間に確定するTOPIXの前日比上昇下落だけをシグナルに、大京を順張り売買したと想定した場合の累積パフォーマンスです。これも悪くありません。ところどころパフォーマンスが荒れ気味になっている局面があるとはいえ、累積で1000%を超える水準になっています。

銘柄によっては、TOPIXを売買シグナルに使う手も考えてよさそうです。



ここで紹介した、225先物の値動きをシグナルにした売買、同セクターの別銘柄や“仲間”的な低位株の値動きをシグナルにした売買、そうした2銘柄のペアトレードなど、いろいろな売買のアイディアを掲載したCD−ROM書籍が出来ました。

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