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【高値更新銘柄】長期レジスタンスに迫る動きに要注意

前回の上昇相場の高値に迫った銘柄の“その後”

日経平均株価は2月12日、引値ベースで高値を更新しました。今週の信用残高情報のコメントでもふれたように、この高値を更新したときの上昇は、短期的なレジスタンスライン(12月9日の高値と12月29日の高値を結んだライン)をギャップ・アップでブレイクする強気パターンです。1万8000円台回復、ザラ場ベースの高値更新もほぼ確実、次のターゲットは07年の高値、という見方がメインシナリオになっても全くおかしくない動きといえるでしょう。

年初からの動向を振り返ってみると、日経平均株価はやや弱い展開が続き、上昇しても先述のレジスタンスラインに頭をぶつけて反落するという、膠着ムードを漂わせていました。ただ、市場全体の地合いは悪くはなく、大発会以降、5営業日のみを除いて年初来高値更新銘柄数はいずれも3桁台という堅調ぶりを見せています。

ここから日経平均株価が上値を伸ばすとすれば、さらに高値更新銘柄が増えていくと予想されますが、では、自分の持ち株が高値を更新する動きになった場合には、どうすればいいのか。「利益はできるだけ伸ばす」という相場の基本からすれば、高値を更新している間は「持ち続けるべし」ではあるものの、昨今の相場の動きの速さ、とりわけ下落するときの強烈さを考えると、いったん売却して利益確定する、という選択もあってしかるべきでしょう。とくに、この上昇相場の途中、たとえば日経平均株価が1万6000円台後半以降の局面で「それほど有利ではない」値段で買った株ならば、利益確定の売却シナリオを準備しておいて決して損はありません。

その売却のポイントを考えるうえで大いに参考にしたいのが、前回の上昇相場でつけた高値、長期のレジスタンス水準です。

たとえば、昨年12末時点の株価が「前回の上昇相場の高値からその後の安値の85%〜100%」の位置にあった銘柄は62銘柄ありました。それらの銘柄の、“その後”の動きを見てみると、長期のレジスタンス近辺まで来て失速してしまった銘柄が目につきます。

もっとも、どの銘柄もそうだというわけではありません。レジスタンス水準でいったんは押されながらも、短期間のうちに持ち直して、レジスタンスを突破している銘柄もあります。この場合、突破後は強い上昇となるケースもしばしばです。

ただ、この銘柄の日足チャートを見るとわかるように、やはり07年3月につけた高値の水準まで上昇した株価は、しばらくの間、上げ下げを繰り返す動きになっています。その上げ下げの後どういう展開になるかは、足元の時点ではわかりません。その状況で安全策を取るならば、やはり「いったん売却」でしょう。その後、この銘柄にように強い上昇になった場合には、持ち続けるべきだった、と後悔してしまいそうですが、そのときは「利食いで死んだ人はいない」という相場の名言を思い出して割り切りたいところです。


レジスタンスで押し戻されると売り物が集まりやすくなる?

一方、長期のレジスタンス手前で押し戻された銘柄の中には、その後、かなり強烈な売られ方をしている銘柄があります。

2月5日の急落は、前日発表した業績見通しの「通期予想は据え置く」という内容が嫌気されたことが主因のようですが、株価に割高感があるわけでもなく、ここまで強烈に下げるほどの悪材料でもないと思われます。やはり07年のレジスタンス水準をいったん示現していることが、この下落の背景にあるのではないでしょうか。

このところの個別銘柄の動きで目立つのは、この銘柄のように、業績発表で従来予想通りの「堅調な業績」を出すと強烈に売られる。減益予想や下方修正を出すとむしろ買われるケースです。とくに、インデックスに対する寄与度の大きい銘柄、時価総額の大きい主力銘柄に多い印象があります。そうした銘柄の場合、長期レジスタンス水準にはとくに注意が必要です。

長期のレジスタンスはチャート上でもわかりやすく、多くの人から意識されやすい株価水準です。その水準で株価が押し戻され、その後、上値が切り下がる動きになると、その銘柄を保有している人は売り焦り、その売り焦りを見越した空売りも出てくる可能性があります。そこで日経平均株価の下落が数日続くようなことになれば、売り物がより集まってくる状況も考えられます。

市場全体の地合いが悪いわけではありませんから、過剰に悲観視する必要はもちろんありませんが、持ち株が高値を更新しているときには、改めて、長期のレジスタンス水準を確認して、「どうするか」を検討してみてください。複数単元を持っているならば、年頭にも述べた通り、そのレジスタンス水準からの“売り上がり”が一番の堅実策になると思います。



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