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エコノミスト・マネー10月号・追加情報

■「○○が上がった翌日、××が上がる」。新興株の例■

(本稿は、2010年8月27日時点でのデータを元に作成されています。)

月刊誌『エコノミスト・マネー』(毎日新聞社)の連載「Myトレードシステムをつくろう」のコーナーの中で、「○○が値上がり(値下がり)すると、翌日、××が値上がり(値下がり)しやすい」という2銘柄の組み合わせ例を2つ紹介しました。

1つは、日本板硝子とアシックスという全くの異業種の組み合わせ、もうひとつは、セクターが近い共栄タンカーと内海海運の組み合わせです。

こうした2銘柄の組み合わせの値動き特性は、たとえば「日本板硝子が前日比上昇ならば、大引けでアシックスをロング」「日本板硝子が前日比下落ならば、大引けでアシックスをショート」といった具合に、一方の銘柄の前日比上昇・下落をシグナルに、もう一方の銘柄の順張りポジションを取る、というトレードに活かすことが可能です。

本誌でも紹介していますが、各2銘柄の組み合わせでこのトレードを検証してみると(検証期間:03年4月1日〜10年8月27日)、累積パフォーマンスは

という、非常に良好な数字になりました。

なぜ、これら2銘柄の組み合わせにこうした濃密な関係が現れるのか。その理由は、2銘柄とも日経平均先物の前日比上昇下落をシグナルに売買しても良好なパフォーマンスが出ることから推測できます。つまり、これら2銘柄は、市場平均の指数を介した関係である、と考えられるわけです。

同じような2銘柄の組み合わせ例は、新興株にも見られます。

図1

図1は、ディップ(2379)の前日比上昇下落をシグナルに、日本ケアサプライ(2393)を売買する、というトレードの検証結果です。

比較のため、日本ケアサプライ自身の前日比上昇下落をシグナルにした売買の検証結果も示していますが、この銘柄自身の値動きをシグナルにするよりも、ディップの値動きをシグナルにしたほうがパフォーマンスは格段によくなっています。

ところが、です。

ディップ以上にすごいパフォーマンスを出すシグナルがありました。

図2

東証マザーズ指数です。検証期間約7年半の累積パフォーマンスは約500%と、ディップをシグナルにした例をさらに上回っています。

ちなみに、日経平均先物の前日比上昇下落をシグナルにしてみたケースも示していますが、こちらも悪くありません。

逆のパターン、つまり、日本ケアサプライや東証マザーズ指数の前日比上昇下落をシグナルにして、ディップを売買したら結果はどうなるでしょうか。

図3

検証結果は、もっとすごい数字になっています。

日本ケアサプライの前日比上昇下落をシグナルにディップを売買するトレードの累積パフォーマンスは500%超と、結構イケていますが、マザーズ指数の前日比上昇下落をシグナルにすると、実に、800%を超える累積益になります。

一見、それぞれの事情で動いているかのような新興株ですが、やはりインデックスの値動きの影響はかなり強いと考えてよさそうです。

ちなみに、1部上場の低位株でも「○○が上がると、翌日××が上がる」という例は少なくありません。

××銘柄をルック(8029)としてみた例を( http://www.h6.dion.ne.jp/~yadon/250/0908.html )に掲載しています。

※ たいへん残念なことに、『エコノミスト・マネー』が今月号限りで休刊になってしまいました。 「Myトレードシステムをつくろう」は6年以上にわたって続けてきた連載で、その間、あれやこれやといろいろな検証を試みてきました。 それがなくなってしまうのは本当に寂しい限りですが、今後は当サイトで様々なトレード検証例を折に触れて掲載するつもりです。 時々チェックしてみてください。


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