《超高寄与度2銘柄》攻略のアイディアを探る
■仮に空売り可能なら“単純順張り売買”で年間300%近い累積益!?■
まず、ユビキタスについてです。その攻略のヒントは1月6日に更新した「『なでしこ書籍』の読者様向け情報」の中にありました。
このコーナーでは、2010年1年間の“値動きの性格”ランキングを5種類(9パターン)掲載していますが、ユビキタスはこのうち3つのランキングに顔を出しています。
まず、「引値の前日比上昇・下落に対する順張りランキング」です。ランキングが上位の銘柄ほど「値上がり(値下がり)した日の翌日も値上がり(値下がり)する傾向が強い」をという値動きの性格を示しますが、ユビキタスはランキングの第2位という高位となっています。
2つ目は、「日経225先物引値の前日比上昇・下落に対する順張りランキング」で、これは「225先物引値が前日比上昇(下落)すると、翌日その銘柄は前日比上昇(下落)で引ける傾向が強い」ことを示しています(ユビキタスはランキング20位)。
もうひとつが、「前日引値に対する高寄り・安寄りに逆張りランキング」です。これは、「前日引値よりも高く(安く)寄り付くと場中売られて(買われて)引値は寄値よりも安くなる(高くなる)」傾向の強さを表します。ユビキタスは11位でした。
これらの値動きの傾向に沿った売買を想定した場合、累積パフォーマンスはどうなったかをグラフにしたものが図2−1です。
これは2010年1年間の短期データのシミュレーションですが、過去3年で見てもこの値動きの傾向は確認できます。
とくに、「引値が前日比上昇ならロング」「前日比下落なら引けでショート」という順張り売買はかなり有効性が高そうです。
ただ、実際にはこの銘柄は貸借銘柄ではなく、ショートはできません。よって、この結果を実践に活かすとすれば、「前日比上昇の日の引けで買う」「前日比上昇が続いている間はホールド」「前日比下落の日の引けで売却する」という売買 になります。
■「高寄りしたら手仕舞う」「安寄りならホールド」も一策■
そうすると、期待できるパフォーマンスは図2−2で見たよりもかなり低くなってしまいます。そこで、これに「高寄りすると、引値は寄値より安くなる」「安寄りすると、引値は寄値より高くなる」という、“寄り付き方に逆張り”の傾向を加味してみます。具体的には、
という売買です。
この売買がどんなパフォーマンスを出すか、過去3年のデータで検証してみたのが図2−3です。
グラフの赤線は「前日比上昇のとき引けでロング、翌日の寄り付きで手仕舞う」という想定売買の累積パフォーマンス。緑線は「前日比上昇で引けた翌日、前日引値よりも安く寄り付いたときのみ寄り付きでロング。大引けで手仕舞う」という想定売買の累積パフォーマンスです。
つまり、「引け→翌日引け」のポジションを「引け→翌日寄り」「翌日寄り→翌日引け」の2つに分けてみたわけですが、この2つのパフォーマンスを合計すると約360%になります。
最初に見た「引値が前日比上昇ならロング」「前日比下落で手仕舞う」という売買よりもこちらのほうが成果は見込めそうです。