徹底活用ガイド!攻略編

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攻略編「値動き分析」欄(その1)

どんなとき、どういう売買が奏功しやすいか。“値動きの特性”から解明する

株価は日々ランダムに動いているようですが、過去のデータを調べてみると、その銘柄は「こういうときに値上がりする傾向がある」「こういう状況だと値下がりしやすい」という、いわば値動きの傾向や特性のようなものが確認されることがあります。

「どんなとき、どんな値動きをする傾向があるのか」がわかれば、それは「こういう状況になったら、こういう売買をすれば利益が狙いやすい」という売買の有効策をつかむ手がかりになります。

この値動き分析」欄では、いくつかの視点から値動きの特性を調べた結果を示しています。

これは、過去のデータを分析した結果で「その銘柄の値動きの傾向はこれからも必ずそうなる」と断言はもちろんできません。実際、ある期間はこういう特性だったけれども、期間が異なるとその特性も異なる、というケースもあります。

そこで本」欄では、短期(過去3ヶ月)と中長期(過去3年または7年)の結果を合わせて表示しています。短期と中長期との結果の違いもまた、その銘柄の値動きの傾向を知るヒントになります。

<読み方のポイント@>…「順張り」「逆張り」(引値→翌日引値)

値上がりした翌日は続伸しやすいか。それとも反落しやすいか。

とても単純な視点ですが、前日比上昇で引けた翌日、やはり前日比上昇で引ける傾向が強いか、それとも前日比下落で引ける傾向が強いかを調べて、その結果を5段階で表示しています。

「前日比上昇で引けた翌日はやはり前日比上昇で引ける傾向が強い」「前日比下落で引けた翌日はやはり前日比下落で引ける傾向が強い」という銘柄は、「上がったら買い」「下がったら売り」という順張り売買が奏功しやすい銘柄です。この傾向が強いほど「順張り度が高い」、その傾向を持つ銘柄を「順張り型銘柄」と表現することにします。

順張り度の高い銘柄ほど、アミ掛けの位置は5段階の左側になります。

反対に、「前日比上昇で引けた翌日は前日比下落で引ける傾向が強い」「前日比下落で引けた翌日は前日比上昇となる傾向が強い」銘柄は、「上がったら売り」「下がったら買い」の逆張り売買が奏功しやすい銘柄といえます。この傾向が強いほど「逆張り度が高い」、その傾向を持つ銘柄を「逆張り銘柄」と表現することとします。

逆張り度の高い銘柄ほど、アミ掛けの位置は5段階の右側にきます。

注目している銘柄の値動きの傾向が順張り型か、それとも逆張り型かは、その銘柄を前日比上昇の日の大引けで買えばいいのか、それとも前日比下落の日の大引けで買えばいいのかの指針になります。

順張り型の銘柄なら、買うならば「前日比上昇の日の大引け」のほうが有効と考えられますし、逆張り型だとすれば「その銘柄を買うのは前日比下落の日の大引け」のほうが有効と考えられます。

また、その銘柄を持っていて大きく上昇した場合には、順張り型なら「買い持ち継続」、逆張り型なら「一旦利益確定」との判断につながります。

なお、この「順張り」「逆張り」(引値→翌日引値)については、過去3ヶ月という短期の検証結果と、過去7年という長期の検証結果を示しています。

「長期で見るとさほどでもないが、短期の順張り度が高い」という場合、その銘柄が短期的に人気化している、あるいは売買の活発さが増している可能性が示唆されます。というのは、「値上がりするから買う→買うから値上がりする」、あるいは「値下がりするから売る→売るから値下がりする」という状況が繰り返されると、順張り度が高くなると考えられるためです。

逆に、人気がなく売買が閑散としている銘柄は逆張り度が高くなる傾向があります。ですから、長期の結果よりも短期のほうが逆張り度が大幅に高まっている銘柄は「人気が去ってしまった」可能性が示唆されます。

そのほか、目先の業績はともかく財務が非常に良好な、いわゆる国際優良銘柄の場合も、「安ければ買いたい」「高くなったら一旦売って、また安く買い直す」と受け止められやすいこともあり、逆張り傾向が強く出る例が少なくありません。

<読み方のポイントA>…「順張り」「逆張り」(寄値→引値)

「高寄り」「安寄り」したあと、場中の動きはどうなるか

値動きの特性は、前日の引値に比べて「高く寄り付いたか」「安く寄り付いたか」から考えることもできます。

前日引値よりも高く寄り付いたとき、その日の引値がさらに高くなると、この日のローソク足は陽線になります。あるいは、前日引値よりも安く寄り付いて、引値はさらに安くなれば、この日のローソク足は陰線です。

このように、「高寄りすると、引値はさらに高い(陽線)」「安寄りすると、引値やさらに安い(陰線)」という動きを、「(寄り付き方に)順張り」と表現することにします。

逆に、前日引値よりも高く寄り付くと、場中売られてその日の引値は寄値よりも安くなる(この日のローソク足は陰線)、前日引値よりも安く寄り付くと、場中買われてその日の引値は寄値よりも高くなる(この日のローソク足は陽線)という動きになりやすい銘柄もあります。これを「(寄り付き方に)逆張り」と表現することにします。

本書では、この値動きの傾向を「順張り」「逆張り」(寄値→引値)という形で、その度合いの強さを示しています。

上場銘柄を調べてみると、寄り付き方に逆張りの銘柄のほうが多くなっています(これは、後に紹介する「米国市場引値に対する順張り・逆張り」とも関係がありそうです)。

寄り付き方に逆張り銘柄は、たとえば、前日引値の株価水準に寄り指値を入れておいて、「この株価水準よりも高ければショート」「この株価水準よりも安けれロング」という逆張り注文を入れておく方法が考えられます。大引けで手仕舞うことで、収益を狙えるわけです。

もっとも、前日引値と寄値の差がごくわずかしかない場合には、逆張り傾向がはっきりしないことも考えられます。ですから、寄り付き方に逆張り度の高い銘柄については、たとえば「前日引値と寄値の差が±1%以上のときはどうか」というような条件をつけて検証してみるのもよいと思います。それによって、トレード効率があがることも期待できます。

攻略編「値動き分析」欄(その2)

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