徹底活用ガイド!攻略編

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攻略編「各種指標との相関性」欄(その2)

<読み方のポイントB>…日本国債先物価格との相関性

国債価格は上昇、株価は下落基調。そのトレンドを反映して逆相関銘柄が多数

金利も業績に影響を与えるだろうと解釈される指標の1つです。金利引き上げ観測が出ると、有利子負債の多い銘柄はコスト増となる懸念から売られるような光景も時折起こります。

この」欄では、日本国債(JGB)先物の価格の推移をもとに、長期金利と株価との関係を調べています。

債券は、価格が上昇すると金利は下がり、価格が下落すると金利は上がる、といった具合に、価格と金利の上昇下落は逆の関係にあります。ですから、「国債価格の水準が上昇(金利は低下)すると、株価水準も上昇する」「国債価格の水準が下落(金利は上昇)すると、株価水準も下落する」という銘柄は正相関、反対に、「国債価格の水準が上昇(金利は低下)すると、株価水準は下落する」「国債価格の水準が下落(金利は上昇)すると、株価水準は上昇する」という銘柄は逆相関となります。

※長期金利という場合、通常は10年物国債の金利(および価格)を指標としますが、その動向を反映しながら日々マーケットで取引されている国債先物はその動向価格動向がわかりやすいため、ここでは国債先物価格を用いてデータ検証しています。

過去3年のデータで全上場銘柄について調べてみると、ほとんどの銘柄が逆相関であるという結果になりました。

この3年間、金利は低下基調(債券価格は上昇)で、銘柄によって、それが+要因となる銘柄もあれば、マイナス要因になる銘柄もあるはずですが、総じて逆相関、つまり「債券価格が上昇(=金利は低下)、株価は下落」という関係になった理由は、両者のトレンドに起因する部分が大きいと考えられます。

株式市場は、サブプライム問題が表面化した07年8月以降、下降トレンドにあります。09年3月以降は反転ムードになっているとはいえ、トレンドが転換したといえる銘柄はごくわずかです。

一方で、債券価格は上昇基調にありますから、大きな流れとして捉えてみれば、「債券価格は上昇、株価は下落」という関係になるわけです。そのため、この期間の株価の下降トレンドがきつい銘柄ほど、逆相関度合いも大きく出る傾向があります。

なお、星の数の基準は、 です。

<読み方のポイントC>…米ドル、ユーロとの相関性

外需系でありながらも米ドル相関度の低い銘柄が結構ある

「対円で米ドルやユーロが上昇すると(=円安)、株価が上昇する」「米ドルやユーロが下落すると(=円高)、株価が下落する」という銘柄は正相関、逆に、「米ドルやユーロが上昇すると(=円安)、株価は下落」「米ドルやユーロが下落すると(=円高)、株価が上昇する」という銘柄は逆相関になります。

先ほどもふれたように、為替と株価との相関性を調べてみると、輸出比率が非常に高い銘柄でありながらも、米ドルとの相関性がさほど高くない銘柄があります。

ホンダもまたその一例で、米ドルとの相関度は☆2つ(相関係数は0.67〜0.81)と、全上場銘柄の中ではむしろ低いほうです。ホンダに比べると、たとえば高島屋やイオンは☆4つと、これらの内需銘柄のほうが米ドルとの相関性はだいぶ高いことになります。

輸出比率の高い銘柄は、円高ドル安が進む局面では売り込まれやすくなりますが、その後、円安ドル高方向に少し戻すような動きが出たときには、株価は売り込まれた反動で大きく反発するケースもあります。米ドルとの相関度が低い銘柄を、そうした局面で狙ってもよいかもしれません。

<読み方のポイントD>…NYダウ、ナスダックとの相関性

内需系と捉えられる銘柄でも米国市場と高相関のケースもある

日経平均株価とNYダウの推移は、かつては逆方向に動く傾向がありましたが、2000年前後から動く方向が近くなり、ここ数年は「ほとんど連れて動く」といってよいような状況になっています。

となると、先ほど見た日経平均株価やTOPIXとの相関性と、NYダウやナスダックとの相関性の傾向は似たものになるケースも出てきます。

為替動向と同様、イメージとしては「外需系は米国市場の動きと相関性が高く、内需系は米国市場の動きとの相関性が低いか、逆相関」かもしれませんが、実際には、内需系の中にもNYダウやナスダック指数と非常に相関度が高い銘柄も珍しくありません。

値動き分析」欄の「S&P500引値の前日比上昇下落に対する値動き」でも見たように、一見、米国市場の動向と無関係そうに思える内需系には、寄り付き時点では米国市場の動向をあまり織り込まない銘柄も見られます。

NYダウやナスダック指数との相関性が高い銘柄は、寄り付き後に米こう市場の動向と同じ方向に動く可能性も考えられます。「S&P500の引値に対して順張り度」が強く、かつ、NYダウやナスダックとの相関性が高い銘柄は、米国市場の前日比上昇下落に「寄り付きで順張り」トレードの候補とするのもよさそうです。

攻略編「高相関銘柄上位10」欄

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