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【年央相場の焦点】サマーラリーか、夏枯れか

5月の下げは「かなり深刻」か

5月の相場は実にひどいものでした。あれは一体なに故の下げだったのでしょうか。

フェイスブックのIPOが悲惨な結果に終わったことは、確かにマイナス要因となった面はあるかもしれません。あのIPOに関しては、その後もいろいろな報道がなされていますが、要は、未公開株を保有していた人や証券業界など、あのIPOを食い物にしようとした関係者が多かったということでしょう。

ただ、それが投資家心理を冷やしたのは事実だとしても、だからといって、なぜ「円」を買うのでしょうか。そのお陰で、「よし、ようやくアメリカが上がったぞ」という日でも、日本株はさっぱり上がらず。場中ずるずる売られる展開ばかりです。

ギリシャのユーロ離脱が現実味を帯びてきたことに対する懸念も、マイナス要因としてはもちろんあるとは思われます。が、材料としては「何を今さら」という感じがしなくもありません。

年初から3月まで、日本株市場は「待ちに待った春!」の様相でしたが、その春は短命に終わり、夏も秋もなく、いきなり冬の入口に来てしまった印象です。この5月のひどい売られ方、これまでの相場の動きから見てどう解釈すればいいのでしょうか。以前に何度か紹介した「過去1年来高値更新・安値更新銘柄数」から考えてみました。

今年5月30日までの状況です。高値更新銘柄数のほうを見ると、昨年末から今年3月まで、07年以降の相場の中でも「相当に強い」局面だったことは間違いありません。

しかし、直近の下落局面の安値更新銘柄数を見ると、その「相当に強い」と目された3月までの高値更新銘柄数を上回ってしまっています。また、昨年8月から11月にかけての下落局面の安値更新銘柄数の水準をも超えています。これは「かなり深刻な下げ」の可能性も否定できません。


目先反転したときの「高値更新銘柄数」に注目を

もっとも、昨年8月から11月までの「過去1年来」の対象データには、大震災直後に急落した株価も含まれています。その影響で、安値更新銘柄数が少なく出ている可能性もあります。

では、過去6ヶ月、過去3ヶ月来の高値更新・安値更新銘柄数で見るとどうなるでしょうか。

大震災直後の株価を対象データに含めなければ、この5月の下落局面での安値更新銘柄数は昨年秋以降の下げとほぼ同じような水準です。

あえてポジティブな要素をあげるとすれば、過去3ヶ月来の安値更新銘柄数は、昨年8月の急落局面に比べれば、やや少なくなっている点でしょう。株価は、昨年7月の高値と今年3月の高値とはほとんど同水準。昨年8月・9月の下げ幅と、今年4月・5月の下げ幅も同程度です。それでいながら、安値更新銘柄数は今年のほうが安値更新銘柄数は少ないとすれば、「昨年秋の下落局面よりはまだ悪くない」という見方ができます。

ただ、6月に入ってからも相場が好転せず、ずるずる軟調な動きが続くことになると、さらに安値更新銘柄数は増えて、「昨年秋よりも明らかに悪い」となる可能性が濃厚です。年央にかけて、厳しい夏枯れ相場になるかもしれません。

他方、日経平均株価が目先反転した場合には、そこで高値更新銘柄数がどれだけ伸びるかが最大の注目点になります。今年2月、3月の高値更新銘柄数を上回るようであれば、年央以降にも期待が持てるのではないでしょうか。

現状、全くもって面白くない相場状況ではありますが、この6月は、要注視局面です。

なお、高値更新・安値更新銘柄(過去1年来)については、当サイトのユーザー様向け情報にて該当銘柄リスト(場中15分ごとに更新)をご覧いただけるよう、現在準備を進めています。近日、開始の予定です。その際には、改めてお知らせいたします。




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