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【閑散相場】お盆休みはゆっくりチャートを眺めてみよう

「解散総選挙」以降の高値更新銘柄をチェックしてみる

猛暑日が続いていますが、8月に入って市場のほうはさっぱり熱くありません。円が買われてしまっていることが痛いのですが、何といっても売買高・売買代金がともに低調。8月5日は、今年最低の売買代金を記録しています。

先物も板が薄い日が散見されます。そのおかげで、多少まとまった成行注文が入っただけで値が数ティック動いて上下に大ブレ。それに呼応して個別銘柄も上がったかと思えば、急激に下がったりして、実に美しくない分足チャートが描かれる日もしばしばです。

今週はお盆休みの人も多いでしょうから、さらに市場が閑散とすることも予想されます。「閑散に売りなし」などとも言われますが、閑散に乗じた乱高下もありそうな現状、あえて無理に売り買いせずに、たとえば、ゆっくり株価チャートを眺めながら、今後の策を練っておくのもよいのではないかと思います。

どんな銘柄のチャートを眺めればいいのかというと、当欄でも折りにふれて述べている通り、まずは、こんな相場状況の中でも良好な動きをしている銘柄です。7月発売の新刊『とっとと儲けて、サッサと勝ち逃げ! 信用取引の始め方・儲け方』(明日香出版社)の中では、YAHOOファイナンスなどで年初来高値更新銘柄をチェックする方法を紹介していますが、ここでは、現状の相場が鮮明になった昨年11月の「衆議院解散」以降の値動きで、この盛り上がらない8月に高値をつけている銘柄に注目してみます。

(図表1:8月高値銘柄リスト)
コード 銘柄名 業種 高値 高値日付 8/9 引値
4555 沢井製薬 医薬品 13480 8/9 12810
7844 マーベラスAQL 情報・通信 69300 8/9 61800
1824 前田建設工業 建設業 570 8/9 565
4293 セプテーニ・ホールディングス サービス業 190000 8/9 180800
9936 王将フードサービス 小売業 3710 8/9 3710
4633 サカタインクス 化学 1010 8/9 1004
2438 アスカネット サービス業 4690 8/9 4180
3823 アクロディア 情報・通信 70300 8/9 55600
2654 アスモ 卸売業 145 8/9 131
7514 ヒマラヤ 小売業 1495 8/9 1376
8244 近鉄百貨店 小売業 354 8/9 354
9052 山陽電気鉄道 陸運業 439 8/9 437
3624 アクセルマーク 情報・通信 1253 8/9 919
7503 アイ・エム・アイ 卸売業 2618 8/9 2618
9319 中央倉庫 倉庫・運輸関連業 981 8/9 978
9046 神戸電鉄 陸運業 384 8/9 380
5273 三谷セキサン ガラス・土石製品 1514 8/9 1496
7596 魚力 小売業 1509 8/9 1450
4771 エフアンドエム サービス業 430 8/9 341
6340 澁谷工業 機械 1036 8/9 1036
6916 アイ・オー・データ機器 電気機器 459 8/9 411
2340 極楽湯 サービス業 352 8/9 350
2805 ヱスビー食品 食料品 757 8/9 752
4642 オリジナル設計 サービス業 222 8/9 222
8215 銀座山形屋 小売業 120 8/9 98
2742 ハローズ 小売業 879 8/9 879
3752 ワイズマン 情報・通信 45100 8/9 45100
6841 横河電機 電気機器 1407 8/8 1353
3088 マツモトキヨシホールディング 小売業 3340 8/8 3260
7312 タカタ 輸送用機器 2430 8/8 2297
2579 コカ・コーラウエスト 食料品 2119 8/8 2037
2491 バリューコマース サービス業 1938 8/8 1728
9706 日本空港ビルデング 不動産業 1969 8/8 1886
4921 ファンケル 化学 1300 8/8 1278
9743 丹青社 サービス業 769 8/8 684
5208 有沢製作所 化学 580 8/8 530
4008 住友精化 化学 490 8/8 485
5975 東プレ 金属製品 1219 8/8 1070
3623 ビリングシステム 情報・通信 5350 8/8 3705
2484 夢の街創造委員会 情報・通信 1196 8/8 1126
4099 四国化成工業 化学 793 8/8 759
1762 高松コンストラクショングルー 建設業 1739 8/8 1687
4559 ゼリア新薬工業 医薬品 1590 8/8 1590
9534 北海道ガス 電気・ガス業 263 8/8 262
4356 応用技術 情報・通信 146000 8/8 98000
7618 ピーシーデポコーポレーション 小売業 43700 8/8 40000
4025 多木化学 化学 787 8/8 780
7525 リックス 卸売業 837 8/8 826
7768 ジェコー 精密機器 450 8/8 417
7870 福島印刷 その他製品 402 8/8 400
2371 カカクコム サービス業 3985 8/7 3600
5002 昭和シェル石油 石油・石炭製品 1005 8/7 953
9684 スクウェア・エニックス・ホー 情報・通信 1528 8/7 1470
4612 日本ペイント 化学 1405 8/7 1351
5423 東京製鐵 鉄鋼 550 8/7 533
6013 タクマ 機械 880 8/7 848
9477 KADOKAWA 情報・通信 4100 8/7 3695
1944 きんでん 建設業 1029 8/7 989
6844 新電元工業 電気機器 600 8/7 573
4922 コーセー 化学 2970 8/7 2856
8524 北洋銀行 銀行業 419 8/7 384
1942 関電工 建設業 520 8/7 495
7222 日産車体 輸送用機器 1400 8/7 1379
4471 三洋化成工業 化学 679 8/7 660
7821 前田工繊 その他製品 1130 8/7 957
7287 日本精機 輸送用機器 1540 8/7 1514
6798 SMK 電気機器 412 8/7 376
6625 JALCOホールディングス 電気機器 320 8/7 199
3634 ソケッツ 情報・通信 4570 8/7 2900
6347 プラコー 機械 43 8/7 32
7419 ノジマ 小売業 730 8/7 666
9899 ジョリ−パスタ 小売業 859 8/7 852
2487 CDG サービス業 1250 8/7 1200
9201 日本航空 空運業 5560 8/6 5360
4661 オリエンタルランド サービス業 16800 8/6 16140
4902 コニカミノルタ 電気機器 845 8/6 798
3003 ヒューリック 不動産業 1293 8/6 1204
4704 トレンドマイクロ 情報・通信 3475 8/6 3305
4819 デジタルガレージ 情報・通信 530000 8/6 442000
6479 ミネベア 電気機器 428 8/6 412
7951 ヤマハ その他製品 1403 8/6 1262
4631 DIC 化学 277 8/6 259
4848 フルキャストホールディングス サービス業 399 8/6 336
2181 テンプホールディングス サービス業 2727 8/6 2434
9744 メイテック サービス業 2860 8/6 2740
4403 日油 化学 650 8/6 622
5851 リョービ 非鉄金属 360 8/6 344
5959 岡部 金属製品 1174 8/6 1144
6737 EIZO 電気機器 2550 8/6 2375
2613 J−オイルミルズ 食料品 333 8/6 320
1941 中電工 建設業 1299 8/6 1253
2412 ベネフィット・ワン サービス業 185900 8/6 167100
3663 アートスパークホールディング 情報・通信 610 8/6 520
5918 瀧上工業 金属製品 456 8/6 420
3513 イチカワ 繊維製品 333 8/6 296
5985 サンコール 金属製品 620 8/6 605
3891 ニッポン高度紙工業 パルプ・紙 1500 8/6 1410
4517 ビオフェルミン製薬 医薬品 3100 8/6 3030
6853 共和電業 電気機器 370 8/6 333
2415 ヒューマンホールディングス サービス業 91500 8/6 79000
4728 トーセ 情報・通信 776 8/6 748
2209 井村屋グループ 食料品 540 8/6 540
2144 やまねメディカル サービス業 32700 8/6 26250
4768 大塚商会 情報・通信 12720 8/5 12140
7956 ピジョン その他製品 4895 8/5 4630
7313 テイ・エス テック 輸送用機器 3850 8/5 3500
6755 富士通ゼネラル 電気機器 1194 8/5 1098
6961 エンプラス 電気機器 9470 8/5 8050
5715 古河機械金属 非鉄金属 215 8/5 200
8078 阪和興業 卸売業 431 8/5 418
4712 アドアーズ サービス業 285 8/5 233
9716 乃村工藝社 サービス業 1052 8/5 938
9616 共立メンテナンス サービス業 3935 8/5 3690
4617 中国塗料 化学 586 8/5 554
7756 日本電産コパル 精密機器 1045 8/5 988
2791 大黒天物産 小売業 3020 8/5 2887
3355 クリヤマホールディングス 卸売業 1399 8/5 1348
5659 日本精線 鉄鋼 516 8/5 478
9764 技研興業 建設業 238 8/5 202
6351 鶴見製作所 機械 979 8/5 912
6408 小倉クラッチ 機械 340 8/5 334
9433 KDDI 情報・通信 5660 8/2 5240
4755 楽天 サービス業 1381 8/2 1257
4911 資生堂 化学 1629 8/2 1564
5486 日立金属 鉄鋼 1277 8/2 1171
7860 エイベックス・グループ・ホー 情報・通信 3770 8/2 2994
9435 光通信 情報・通信 6370 8/2 5940
4041 日本曹達 化学 608 8/2 560
8283 Paltac 卸売業 1428 8/2 1355
7612 コモンウェルス・エンターテイ 卸売業 141 8/2 84
3048 ビックカメラ 小売業 51000 8/2 47300
8345 岩手銀行 銀行業 4705 8/2 4515
6768 タムラ製作所 電気機器 284 8/2 243
2109 三井製糖 食料品 350 8/2 327
4838 スペースシャワーネットワーク 情報・通信 168900 8/2 109000
1671 WTI原油価格連動型上場投信 ETF 6680 8/2 6240
8686 アフラック 保険業 6340 8/2 5960
8685 AIG 保険業 4900 8/2 4670
7748 ホロン 精密機器 62500 8/2 44700
1939 四電工 建設業 362 8/2 339
1545 (NEXT FUNDS)NA ETF 3170 8/2 3020
1699 (NEXT FUNDS)NO ETF 1120 8/2 1024
7228 デイトナ 輸送用機器 695 8/2 663
6633 C&Gシステムズ 電気機器 4305 8/1 2158
6413 理想科学工業 機械 2392 8/1 2258
9882 イエローハット 卸売業 2199 8/1 1975
2475 WDBホールディングス サービス業 2400 8/1 2005
9900 サガミチェーン 小売業 873 8/1 863

意外に多い、という印象ではないでしょうか。(これらの銘柄のチャートを一気にチェックするには、≫130811_chart.zip ZIP ファイルの中にある「130811_chart.html」をウェブブラウザでご覧下さい。

目先の株価急騰でリストに入ってきた銘柄もありますが、中には、2012年、あるいはそれ以前から着々ときれいな上昇トレンドを続けている銘柄もあります。

最近は、iPS細胞の臨床試験関連として注目されることもある銘柄ではあるものの、それだけが材料視されるバイオベンチャー系銘柄とは事情が違うようです。8月9日の高値は、上昇トレンドの起点と捉えられる11年半ばの株価水準の約10倍。新興株ではない、しかも電気機器セクターの技術系銘柄としては“大化け”と言ってよいでしょう。


押し目となりそうな株価水準を探ってみる

直近高値を更新している銘柄のチャートを見ると、「あーぁ、こういう銘柄を買っておけばよかったのか…」と思いたくなるかもしれません。しかし、そこで諦めることはありません。その銘柄のトレンドが続くとすれば、この先も高値を更新します。どの銘柄がそうなるのかはもちろんわかりませんが、着々と上昇トレンドを続けている銘柄ならば、市場全体が崩れなければ、そうした展開になる可能性はあります。

「こういう上昇トレンドに乗りたい」と思うような値動きをしている銘柄があったら、押し目となりそうな株価水準はどこか、その目安をつけておきたいところです。それが、今後の策になります。

押し目水準の考え方はいろいろありますが、昨今の相場状況を見ると、ベーシックなチャート・リーディングもあながち軽視できない面があります。そのひとつが、移動平均という、きわめて伝統的なテクニカル指標です。拙著の中でもいくつか例を紹介していますが、移動平均線がサポートになっていると目される銘柄が結構見つかるのです。

2012年半ばからトレンドがはっきりしてきた銘柄です。週足チャートを見ると、今年の入ってからのトレンドは「13週移動平均線にひっかかって反転上昇」となっている様子がうかがえます。8月6日をピークに、目先は調整色の値動きとなっていますが、13週移動平均前後(日次で言えば、65日移動平均前後)まで下がってきたところでどんな動きになるのか。気に掛けておくのもよさそうです。

なお、株価のトレンドがよくても、その背景に「株主優待」があると見られる銘柄には注意を要します。

この銘柄は、1月と7月が権利確定月でしたが、今年から3月・9月が権利確定月に変更となっています。過去の月足チャートは、こんな状況になっています。

かつての権利確定月1月・7月は全て月足陰線。出来高もその月だけ突出しています。現状の値動きは、9月の権利確定月を目掛けたトレンドとも推測されます。

当欄でも何度か取り上げているように、株主優待が買われる主たる材料になっている銘柄には、トレンド云々とは別の売買の視点があります。押し目を狙う銘柄を絞り込む際には、優待の有無と権利確定月はいつかを必ず確認するようにしてください。



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