なでしこインベストメント > 株式 > 【日経225】ベーシックなチャートパターンが語る「目先ベア」シグナル

【日経225】ベーシックなチャートパターンが語る「目先ベア」シグナル

フラッグ型の保合いブレイク。下値の目処は「1万2700円」?

3月に入れば需給も少しは改善するだろう、と期待された株式市場ですが、第1週目はそこそこよかったものの継続せず。第2週を引けてみたら、よからぬムードが漂う形になっています。

3月12日付けの信用残情報でもふれていますが、日経平均株価は2月5日に安値をつけた後、上値ライン・下値ラインが平行線状態を描く、チャネルライン的な動きになっていました。このパターンで上下しながら1万5500円前後までは上昇するだろうと予想されたところでしたが、甘かったようです。3月14日、この下値ラインをギャップでブレイクしています。

こうなると、チャネルライン的に推移していた上下の動きは、下げトレンドの途中で形成されたフラッグ型の保合いパターンと捉えることもできます。この場合、そのブレイクの示唆するところは「下げ再開」。第1の下値の目処は1万2700円処と計算されます。

げげっと思ってしまうような下値目処ですが、もちろん、それほど安い水準まで一挙に下げることは考えにくいですし、あくまでも計算上の目安ですから、いますぐにどうこうすべし、ということではありません。ただ、3月14日に下値ラインをブレイクしたことは、チャート上ではそのくらいインパクトがある動きだった、という意識は持っておきたいところです。


週足ベースでは「グランビルの法則4」のシグナル

週足チャートの形もネガティブです。年初から2月初めまでの下げで13週・26週移動平均を立て続けに突き破ってしまい、その後の戻しで26週移動平均は上回ったのも束の間、13週移動平均に頭をぶつけるような格好となって反落。形状としては、グランビルの法則4の「ベアトレンドの中の戻り売りのシグナル」になっています。

もっとも、日足、週足ベースの解釈はベア継続ではあっても、もっと長期の月足ベースで見れば、辛うじてではありますが、12年11月からのトレンドが崩れる事態には至っていません。また、たとえば、当欄でしばしば取り上げている東証2部指数は、週足ベースでもトレンドは維持されています(これも「辛うじて」ですが)。

ウクライナ情勢や中国経済など、不安視される要因があれこれ出ているとはいえ、少なくとも現在までのところは、市場全体の大トレンドを転換させるほどの強烈な材料とまでなっていないと捉えられます。


「売り」候補を225採用の“先物に順張り”銘柄から探してみる

もし、長期的にも市場全体においても弱気判断ができる状況であれば、買い玉をとにかく全部たたんで全力ショート、それも下げているところを売る、トレンドフォローの積極売りで差し支えないでしょう。しかし、現状は、目先のトレンド判断は「弱気」でも、長期的・全体的には「弱気とは言えない」。となると、下げたところでの売り出動はやりにくい面があります。はっきりした悪材料がないにも関わらず大きく下げれば、そこそこ反発があってもおかしくない、と考えたくもなりますから、“踏み上げ警戒”で売りにくい。かといって、戻りを待っていれば、その間にズルズル下げてしまうのが昨今の相場です。

おそらく、いまの相場状況を見て「とにかく何かをショートしておいたほうがいい」と考えている人は少なくないはずです。ただ、それが実践しにくい。それは結局、どういうときに、どの銘柄をショートするかの判断がつきにくい、ということではないでしょうか。

そこでどうするか、ですが、そのヒントのひとつとなるのが、「この銘柄は、こういう場合に値下がりする傾向が強い」という、個別銘柄の値動きの性格です。この「こういう場合」には、いろいろな捉え方がありますが、日経平均株価、というよりも日経平均先物が市場全体のムードを左右している現状、「先物が下げた翌日、値下がりする傾向が強い」という、先物の上げ下げに順張り型の値動きをする銘柄、その中でも日経平均採用銘柄に注目するのが一策になります。

たとえば、下のA、B、Cの3銘柄は、先物の上げ下げに順張り型の値動きをする傾向が強い日経平均採用銘柄です。

3月12日、日経平均株価は前日比409円安、先物は380円安でした。この段階での株価水準は、それまでのチャネルの半ば辺りで、チャネルの下値ラインまでまだ下げる余地があります。そうした状況のときに、「先物が下げた翌日に下げる傾向がある」銘柄が売り候補になります。

では、どの銘柄をショートするか。この日までの3銘柄の日足ローソクを見ると、Aは、25日移動平均以下まで下げて若干戻して引けています。取りあえず、25日移動平均がサポートとして意識されたような格好です。Bもやはり、25日移動平均がサポートとして意識されたような形になっています。サポートで下げ止まっているとなると、売りにくい。というよりも、「売り」どころか、むしろ「買い」ではないのか、という解釈すらできてしまいます。

これに対してCは、25日移動平均がレジスタンスになり、移動平均を割り込んで引けています(このチャートではローソク足が完成していますが、場の途中、少なくとも引け前には、この銘柄が25日移動平均を割り込んで引けるであろうことが、ほぼ確実にわかると思います)。さらに、25日移動平均を割り込んだ後のサポート水準としては、1450円辺りが目安になりますから、下値余地もそれなりにありそうだ、という判断もできます。

といった視点で、先物が大きく下げたこの日、たとえばCのような銘柄をショートする。先物の上げ下げに翌日追随する値動きをする傾向が強い銘柄ですから、先物が上げに転じたら手仕舞い。もしくは、それより先にこの銘柄の短期的な下値目処のサポート水準まで下げた場合には手仕舞う、という2パターンを用意しておく策も考えられます。

先物に順張り型の値動き傾向が強い日経平均採用銘柄を複数ウォッチしていれば、その時々で、サポート水準を割り込み、下値余地もありそうな銘柄も見つかると思います。日経平均株価が下げたときにそうした銘柄を短期的にショートするだけでも、持ち株全体のヘッジになります。とくに買い玉の多いポジションを持っている場合には、損益悪化を緩和する手立てとして検討してみてください。




↑top に戻る。


先物に順張り型の値動きをする銘柄を探すなら…
本当に役立つ情報、使えるデータがわかります!
「+NISA」バージョンもあります。

Copyright (C) 2014 Nadeshiko Investment Co., Ltd. All Rights Reserved.