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【調整局面?】“地合い”の良し悪しで売買策を使い分ける

「日経平均株価は冴えないが、地合いはよい」局面はチャンス

日経平均株価が1万5500円手前のレジスタンス水準に到達した6月20日以降、「一旦調整は必至だろう」との見方が主流ではあったものの、意外に市場は強く、「下げそうで下げない」相場が7月に入ってからも継続していました。が、ポルトガルの信用不安などの話も出てきて、今週後半は、弱含み の様相。これから、夏休みが近づくにつれて市場参加者は減り、取引が閑散化することも予想される時期でもあり、よほどのサプライズ材料が出ない限りは、ここから上値を伸ばすのは厳しいと考えておくのが、やはり妥当でしょう。「日経平均の調整+夏枯れ相場」を想定した策を準備しておきたいところです。

ここから日経平均株価に調整ムードとなった場合、まず見ておくべきポイントは、「市場全体の地合いはどうなのか」です。当欄や弊社コンテンツの中でも時折ふれているように、平常は日経平均株価(および225先物)の動きを「市場全体の象徴」と捉えて差し支えありませんが、時に、日経平均株価と市場全体の実態が一致しない現象が生じることがあります。たとえば、日経平均株価はダラダラと値下がりしていても、個別に見ると、高値を更新する銘柄が一向に減らない。中小型株が好調で、2部・新興市場は堅調といった状況は、「地合い良好」と解釈できます。これは、とくに小口の個人にとっては「買って、売る」で収益をあげるチャンスが多い局面といえます。

逆に、2部・新興市場が日経平均株価よりもひどい下げ方をして、中小型・新興株がガタガタと崩落していく状況になると「地合いは劣悪」。この場合、言うまでもなく、「買って、売る」は資産を痛める結果になってしまいます。同じ「日経平均株価が調整局面」であっても、地合いの良し悪しに応じて売買の方策も変える必要があるわけです。


【地合い良好のケース@】人気化銘柄の高相関銘柄をチェックする

日経平均株価に調整色が濃厚にある中で「中小型・新興株はよい」、地合い良好の場合、「買って、売る」の候補銘柄を探す視点のひとつとしては、6月2日付けの当欄で紹介した「その時々の上昇率ランキング上位銘柄と高相関関係にある銘柄」があげられます。

6月2日付け情報ではミクシィ(2121)を例にあげましたが、今回はKLab(3656)の例を見てみましょう。この銘柄、ミクシィほどメジャーではありませんが、全市場ベースの売買代金ランキングにもしばしば登場するくらい日々の取引は活発です。東証1部上場ではあるものの値動き的には“ほとんど新興株”で、場中も実によく動きます。

この銘柄の高相関銘柄を7月13日発売の『株テクニカル情報・夏号』で調べてみると、上昇下落率相関のトップはドリコム(3793)。2銘柄の日足チャートを比べてみると、KLabは5月後半から勢いづいたものの、ドリコムは「まだ道半ば」状態にあります(7月9日にやや大きめの上昇がありましたが)。このような「高相関でありながらも、まだ来ていない」銘柄はウォッチしておいて悪くありません。

ちなみに、ドリコムは、クルーズ(2138)やエイチーム(3662)、ドワンゴ(3715)などとの相関性も比較的高い水準にあります。こうした「共通の高相関銘柄」を軸にすると、ひとつの新興系株グループを想定することができます。これも「次に来る銘柄」を予測するときの参考材料になると思います。


【地合い良好のケースA】割安放置状態の中小型株に注目する

新興株は超短期でも大きな値幅が期待できるのが大きな魅力ですが、大上げした翌日には大下げする、というような極端な値動きも当たり前のように起こります。新興株、あるいは中小型株は「大上げしたら 速攻利食い」が堅実策でしょう。

もう少し腰を据えた売買をしたいならば、未だもって超割安に放置されている東証2部やJASDAQ市場の“地味目”中小型株に注目してみるという手があります。Yahooファイナンスやネット証券の投資情報に「低PER」「低PBR」ランキングを見るとわかりますが、増収増益見通しであり、なおかつ財務は良好でありながらも、PERは5.6倍台、PBRは1倍をはるかに下回っている銘柄が結構あります。事業基盤がしっかりしていて配当利回りも良好であれば、主力銘柄が買いにくい水準になっている中、バリューを重視する機関投資家や中小型ファンドの需要が集まる可能性も考えられなくはありません。

ただ、そうした銘柄の中には、日々の取引高が少ないものが多く、買い出動のタイミングが捉えにくいケースがあります。その対応策としては、まず、チャート上のサポートと目される安い株価水準に指値を入れっぱなしにしておくことがあげられます。何らかのきっかけで多少の売り物が来た際の下げをさっくり拾うことを狙う策です。

「どうも、そんな売り物は来そうもない」「出来高も増えてきて、そこそこ買いも入ってくる」という状況ならば、次の対応策。その銘柄の値動きの習性を捉える方法が考えられます。

たとえば、2部上場のニチリン(5184)の値動きは東証2部指数に順張り型の傾向(指数が上昇した翌日値上がりしやすい、指数が値下がりした翌日は値下がりしやすい)、同じく2部上場のカネミツ(7208)はジャスダック指数に順張り型の値動きする傾向があります。また、いずれも、225先物に順張り型の値動きです。このような値動きの傾向が確認できる銘柄ならば、「2部指数(またはジャスダック指数)と225先物が値上がりした日に買い出動する」という考え方でタイミングを捉えることができます。


【地合い劣悪のケース】225先物の値動きに順張りで「売る」

一方、日経平均株価はそれほど値下がりしていないにも関わらず、個別で見ると強烈に売られる銘柄が増えているという「地合い劣悪」の場合ですが、取りも直さず、「売り」(ショート)を活用して損益状態の悪化を防ぐことを考えなければなりません。そのとき、売る対象はどうするか。王道的な方法とされるのは、225先物なり、225連動型のETF なり、インデックスをショートすることですが、「日経平均よりも個別銘柄の売られ方が激しい」となると、それではいまひとつ効果が期待できない可能性があります。

そこで考えられる策は、これも当欄で時折ふれていますが、225先物との連動性が高く、かつ、225先物に順張り型の値動きをする傾向が強い銘柄を売る対象にすることです。

図4はそうした値動きの傾向がある銘柄の例です。この銘柄は225採用ですが、225非採用銘柄でも、中小型株や新興株でも225先物に順張り型の値動きをする例は少なくありません。保有している銘柄が225先物に連れて動きやすいのであれば、その銘柄のヘッジ売りが資産全体の劣化を抑える役割も果たします。地合いが劣悪だと判断されるときには、是非検討してみてください。




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