制度信用取引では、取引所がその対象となる「制度信用銘柄」を指定しています。東証1部上場銘柄数の99.5%以上がこれにあたりますから、東証1部上場銘柄のほとんどが制度信用取引の対象になっていると考えて差し支えありません。
この制度信用銘柄については、信用買いを仲介する証券会社は「証券金融会社」からお金を貸してもらうことができます。
証券金融会社は国内に3社ありますが、最も規模が大きいのが日本証券金融会社、略して「日証金」と呼ばれている会社です。
さらに、制度信用銘柄のうち「貸借取引」の対象に指定されている銘柄(「貸借銘柄」と呼ばれます)は、証券金融会社が証券会社に株券も貸してくれます。この仕組みを利用することで、証券会社は顧客の信用売りに応じた株券を調達することができるわけです。
このように、証券金融会社を通じて、信用買い・信用売りに対応できるという点が、制度信用取引の大きな特徴といえます。
なお、貸借取引に指定されている銘柄数は制度信用銘柄数よりもやや少なくなっています。つまり、上場銘柄の中には「制度信用銘柄ではあるけれども、貸借銘柄ではない」という銘柄がある、ということです。
こうした銘柄は、証券金融会社から(信用買いに対応する)お金を借りることはできるものの、(信用売りに対応する)株券を借りることができないことを意味します。そのため、これらの銘柄は「信用買いはできるけれども、信用売りはできない」ことになります。