証券会社が顧客全ての信用取引に円滑に対応するうえで、証券金融会社は不可欠な存在といえます。
規模の大きい証券会社であれば、自社内の店内食い合いや自社が保有する資金・資産、あるいは資金・株券の調達力で大部分を賄うことが可能かもしれませんが、規模がさほど大きくないネット証券などの場合は、証券金融会社が貸すお金・株券に頼らざるを得ない分も少なからず出てくるものと考えられます。
そうすると、証券金融会社が証券会社に貸しているお金の残高(融資残高)や貸している株券の残高(貸株残高)は、たとえば個人客メインのネット証券や地場の中小証券会社からの要請を含んでいる面がかなりあると解釈できます。
もちろん、そうした証券会社でもある程度は店内食い合いで賄っているはずですし、ましてや口座数や日々多くの取引量を扱っている大手ネット証券ともなればその数も相当なものと予想されます。ただ、少なくとも、証券金融会社の融資や貸株が「増加した」「減少した」という動きは、信用取引をしている個人投資家の行動を反映していると考えてよいと思います。
国内最大の証券金融会社「日証金」では、日々、融資・貸株残高の数字を発表しています。その残高をどう見たらよいのかについては、後ほど改めてふれましょう。