知っておいて損はない!【信用取引と信用残高の仕組み】index

制度信用取引でかかるコストは?」back

ここで、信用取引をする際にかかるコストを見ていきましょう。

現物取引の場合、かかるコストは基本的に売買委託手数料だけですが、お金や株券を借りる信用取引では、その借り賃がコストとして上乗せされます。

信用買いでは、決済するまでの間、借りた約定代金に応じた「買い方金利」が日々上乗せされていきます(金利水準は証券会社が独自で決めています)。

たとえば約定代金が50万円、金利が3%ならば、1日あたりの金利コストは41円です。

信用売りでは「貸し株料」がかかります。貸し株料の水準も各証券会社が独自に決めていて、借りた株を売った時の約定代金に応じた額が日々上乗せされます。信用売りした時の約定代金が50万円、貸し株料が1.1%の場合、1日あたりのコストは15円です。

ところで、制度信用取引では、証券会社は証券金融会社から顧客の信用売りに対応する株券を借りることができますが、証券金融会社としても貸す株券には限りがあります。というのは、証券会社が貸し出す株券は、基本的には「信用買いした人(証券金融会社の融資をもらった証券会社がお金を貸した人)が本来受け取るべき株券」だからです。

そうすると、ある銘柄について、信用買いしている残高よりも信用売りの残高のほうが大幅に上回る状況になると、貸す株券が足りなくなってしまいます。

そうした株不足になった場合、証券金融会社では、株式を大量保有している機関投資家などに対してその銘柄の株券を貸してくれるよう呼びかけます。

その際、株券を貸した相手には“借り賃”が支払われます。この“借り賃”は「品貸料」や「逆日歩」と呼ばれ、その時点で制度信用取引を使って信用売りしている人全てが負担することとなります。

証券金融会社が株不足になった時に限られますが、この逆日歩もまた、信用売りにかかるコストです。

なお、逆日歩は「株不足になった時点で株券を貸している人」が受け取ります。その銘柄を信用買いしている人も、「本来受け取るべき株券を信用売りしている人に貸している」状態ですから、逆日歩をもらうことができます。信用買いをしている人にとって、買い方金利は「支払うコスト」ですが、逆日歩は「もらえる逆コスト」というわけです。

一方、信用売りをしている人は「受け取れるはずの売却代金」を信用買いしている人に貸している格好になっていますが、本来であれば、その対価として金利をもらうことができます。これを「売り方金利」と言いますが、現在は金利水準が低いために、売り方金利は「ゼロ」。つまり、信用売りをしても金利はもらえません。

そのほか、新規で信用買い・信用売りをした日から1ヶ月を経過するとかかる「信用管理費」、信用買いをして未決済のまま決算期日を通過したときにかかる「名義書き換え料」などのコストがあります。

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