付録と言いながら、SQとは直接関係のない話で、特別メモ書きです。
最近、東証引けから大証引けまでの15分で不思議なことが起こるのが気になって調べてみました。気になっていたのは、東証引け時点と大証引け時点での先物価格の「差」についてです。差が大きな日がけっこうあって、東証引け直前において大証引けの先物価格が読みにくくなっている、と感じています。
「差」を求める上で東証引け時点での先物価格を調べるのも難儀なので、先物にフックして取引されている日経平均レバレッジETFの引値を使いました。レバレッジ2倍なので、「レバの前日比率−先物の前日比率×2」を求めることで、どちらの方が前日に比べてどれぐらい高い(安い)を知ることが出来ます。
図のグレーの折れ線が「差」の推移です(単位%)。相対的に、プラスの場合は「レバ>先物」、マイナスの場合は「レバ<先物」となります。先物連続データが限月調整されていないので、そこは赤い点で示していますが、これは例外扱いとします。点線の囲みで示しているように、通常は±0.4%ぐらいの幅で推移しています。「レバの前日比率÷2−先物の前日比率」換算で±0.2%ぐらいで、東証 引けと大証引け時点の差は、 概ね先物価格・2ティック以内で収まるのが通常のようです。
市場の変動が大きい時はその差は大きくなります。変動の大小の物差しとして日経平均ボラティリティー・インデックス(NVI)を見てみました。オレンジの折れ線になります。オレンジの横棒が示すように、30(%)弱の水準に分け目があるように見えます。この水準を超えると価格変動は一気に大きくなっています。そのことは、今年5月の調整局面において顕著に表れています。
最近ですが、図の右の赤い囲みの部分が示すように、NVIが反発しているとはいえ、その水準が全然高くないにもかかわらず、東証と大証の差が大きくなっています。東証引け前の先物価格を参考に東証引けでの株注文を出す身としては、あてが外れることが多くなっています。ヘッジをレバで掛けるか先物で掛けるかの違いも大きくなってきています。
極端な例で覚えている方もいるでしょうが、11月29日のレバの東証引けは前日比90円安(-0.82%)でした。一方、大証の先物(ラージ)引けは前日比40円高(+0.25%)で、東証は値下がり、大証は値上がりということになってしまいました。リスクヘッジの場としての先物市場として機能していません。こういうことがないように板寄せ直前での大口注文キャンセル禁止とかあるわけですが、この日の場合は直前に大口の買いが入ったのかも知れません。 注文を抜くのがダメなら直前に入れてやれと、お下品ですね。
レバと先物の差が不安定になっている理由はわかりませんし、今後収束するのか拡大するのかわかりません。市場統合により3時10分までの大証株式市場が消滅した時、不思議なことが起こる予感はありましたが、現実化してきた一つなのかも知れません。