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日経平均の読み方・使い方・儲け方

市場で儲ける秘訣は「木を見る前に森を見る」

日本を代表する株価といえば、何はさておき、やはり「日経平均株価」でしょう。株の取引を全くしなくても、日経平均株価なら知っている、という人も多いのではないでしょうか。

この日経平均というインデックス、日本市場の動向を国内外に伝える指標、というだけではありません。取引対象としても大いに利用され、市場全体に対して大変な影響力を持っています。弊社がこのことをとりわけ意識するようになったのは06年頃からです。当時、『エコノミストマネー』(旧『投資の達人』。2010年廃刊)に連載していた「マイ・トレードシステムをつくろう」でも、「日経平均」をしばしば取り上げています。

08年、世界の市場が崩壊に突き進む過程で、日経平均先物が主導して個別銘柄が売られる動きが顕著になります。先物が下がると個別銘柄も一斉に、一挙に売り込まれる。他方、日経平均先物が上がるときには、個別銘柄はパラパラとしか買われない。それどころか、強烈に売られている主力銘柄がある。そんな中で「ファーストリテイリングが逆行高」。その状況を、「指数と個別銘柄のデカップリング」と称して著述していた記憶があります。

世界の市場が持ち直した09年になると、日経平均先物の個別銘柄に与える影響はより目立つようになり、さらに10年以降は、それがあからさまに起きるようになります。日経平均株価が上昇基調になっても、買われているのは一部の個別銘柄で、大方はさほど上がらない。日経平均株価が下落基調になればひどい売られ方をする銘柄が多数。売られるときには先物主導、先物が買われるときにはデカップリングという、憤懣やるかたない(としか自分には表現できなかった)状況にどう対応すればよいのかーー。

と、いうわけで、当サイトやオリジナルコンテンツを通じて、日経平均株価と個別銘柄に関するデータ、先物主導が日常茶飯事化している市場での売買のアイデアをいろいろ紹介してきました。

そうした過去に提供した情報も踏まえ、「日経平均」を活用して収益をあげる方法を大研究した結果をまとめたのが、15年11月12日発売の本書『日経平均の読み方・使い方・儲け方』(日本実業出版社)です。

おそらく、「日経平均はどうでもいい。どの銘柄をどういうタイミングで売買すればいいかに興味がある」という方もいるでしょう。しかし、個別銘柄の売買にも、「日経平均」は大いに関係します。「日経平均」を意識するか、しないかで、成果は格段に違ってくるはずです。

市場で儲ける秘訣は、「木を見る前に森を見る」。これが、これまでの考察と売買実践を通して得た結論であり、本書のコンセプトです。日頃、何ということもなく見ている株価かもしれませんが、視点を変えて注目してみてはどうでしょうか。その有用性の高さに必ずや気がつくと思います。

極端な値動きの中に利益の大ヒントがある

今日の「日経平均」は、動きはじめると極端なまでに一方向に動き、そして、先物の主導がすぎて、時に、「日経平均」の動きが市場実態と乖離するようなことが起きます。この値動きの中にこそ、収益の大ヒントがあります。

本書では、先物やETFも含め、そうした「日経平均」の値動きが、市場のどんな現状を語っているのか、将来の何を示唆しているのか。「日経平均」の値動きが発信している情報の読み方と、それをどう活かして、実益に変えるか、「日経平均」の具体的な使い方を紹介しています。

ビギナーの方の中には「日経平均とか、先物だとか、難しそう」という印象を持つ方もいるかもしれません。本書は、先物トレードの専門書ではありませんし、また、本書の装丁を見ればお察しいただける通り、本書はビギナーの方にもご理解いただけるよう極力配慮しています。是非お手に取ってみてください。

もちろん、市場取引の経験が豊富な方、トレードのヒントを見つけたい方、当サイトをいつもご覧になっている皆さまにも、存分にお役立ていただける内容を目指し、力を尽くして作成しています。いまの市場環境の中のリスクを察知し、利益のチャンスを捉えるために。是非とも本書をご一読ください!

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本書の読みどころ

その1まず、何といっても「日経平均」のメカニズムがわかる!

「日経平均」を中心に市場が動くようになっている今日、市場で取引するうえで日経平均株価がどんな株価指数なのかを知っておくことは必須です。本書では、どうなると日経平均株価が100円上昇するのか、先物が急に動いたときにどんなことが起きているのか等、日経平均が動くメカニズムを実例を交えて解説しています。また、中長期のトレンドが何によって形成されているのか、その要因も探っています。

その2レバ型・ダブルインバ型ETFの売買の要所がわかる!

人気沸騰の日経平均2倍連動型ETF、15年8月の急落で注目度が一挙に増した日経平均2倍逆連動型ETFの値動きにはどんな特徴があり、どういう使い方が有効なのか。日経平均株価のデータをもとにシミュレーションした値動きの分析を通じて、その解を導き出しています。

その3個別株売買の成果UP。「日経平均」の使い方がわかる!

当サイトでも時折紹介していますが、「日経平均」の値動きを売買シグナルにするとパフォーマンスがあがる銘柄があります。そうした銘柄を見つける簡単なバックテストのやり方、具体的な売買シグナルの例とその効果を紹介しています。

さらに、「日経平均」でヘッジをつけると、パフォーマンスが伸び、なおかつ、安定する、という効果が出る銘柄もあります。「ヘッジ」などというと、利益が減るようなイメージがあって、萌えない人もいるかもしれません。実は、ともすれば凶暴なまでに高下する今日の市場の動きを収益の機会に変える非常に大きなカギが、この「日経平均」によるヘッジにあります。売買の具体例とともに、ヘッジをつけるとなぜパフォーマンスが伸びるのか、その分析結果にご注目ください。

その4大当てアリ! 日経平均オプションの面白さがわかる!

わずか数営業日の間に10%を超えるような激しい値動きは、オプション取引にとって超ハイリターンを実現しうる絶好のチャンスを提供します。今日の市場環境の中、改めて、日経平均オプションという取引対象に注目してみるのも手です。「『買う権利を買う』とか『買う権利を売る』とか、オプションは面倒くさそう」と思っている方でも大丈夫。本書を読めば、オプション取引の基本は3分で理解できます。

その5「日経平均」に中長期投資するツボがわかる!

日経平均株価をひとつのファンドに見立てるならば、そのパフォーマンスは、数あるアクティブ運用の日本株ファンドを凌ぎます。中長期保有を想定した投資対象としても「日経平均」は極めて有力な選択肢なのです。ただし、買うタイミングが悪ければ、その恩恵も大幅に削られてしまうのは言うまでもありません。では、どういうときに、どういう買い方をするのがよいのか。中長期スタンスで日経平均という最強ファンドに投資するツボがわかります。